ネパールの紅茶について
ネパール
インド亜大陸の奥深くに位置するネパールは、東と西と南をインド国境に、北を中国(チベット)国境に接している。面積は日本の約4割。この小さな国土に、標高8、844mの地球上最高地点のエベレストと標高60mの亜熱帯気候の低地がある。国土の大半は万年雪や氷河に覆われたヒマラヤ山脈と丘陵地帯になっていて、2,900万人が暮らしている。人々の間ではヒンドゥー教文化と仏教文化が混在している。ネパールは釈迦が生まれた地でもある。

紅茶の歴史
ネパールで紅茶栽培が始まったはのは150年前。ダージリンとほぼ同じ時期になる。イラム地方の丘陵で始まった紅茶栽培は、現在ジャパ、パンチタール、テラトゥム、ダンクタにまで広まっている。

紅茶の生産
2007年の年間生産量は15,167トン。このうち約2,000トン(13%)がオーソドックスティー、残りがC.T.Cになる。Ajambare紅茶組合の農家のように、家族で紅茶を栽培する人たちの年間総生産量は、オーソドックスティーが1,320トン、C.T.Cが4,507トン。茶園の年間総生産量はオーソドックスティーが657トン、CTCが8,684トン。オーソドックスティーは圧倒的に農家の生産量が多く、C.T.Cは茶園が大量に生産している。
国内の茶畑の総面積は16,420ヘクタール。オーソドックスティーの畑は7,424へクタール、CTCの畑は8,976ヘクタール。これらの畑で4万人が働いている。製茶工場は国内に40カ所あり、そのうちの25箇所は茶園が所有する。
紅茶の輸出
1998年はネパールにとって紅茶栽培の転機となった。この年から茶畑が一気に増え、前年に4,515ヘクタールだったものが、10,250ヘクタールと倍以上になった。そしてこの時植えた苗木が成長した5年後の2003年には、生産量が11,651トンを記録し、1998年の3倍にもなった。紅茶の輸出はこの年から本格化する。輸出される紅茶はオーソドックスティーに限られ、2007年度の輸出総額は123,600ルピー(16,000万円)、輸出先はドイツ、香港、オランダ、日本になっている。といっても輸出された紅茶は生産量の10%にしか過ぎず、残りはインドの商人に買い取られ、インド産紅茶となってしまうのが現状だ。ダージリンティーはネパールティーに支えられているともいえる。内陸に封じられたネパールの立地は、インドやスリランカのように港がないため、輸出に大きなハンディキャップを背負っている。そのためいまだにネパールの紅茶は広く世界に知られるまでには至っていない。
ネパール人と紅茶
ネパールで生産されたC.T.Cはすべて国内消費にまわされているが、それでも不足していて外国からもC.T.Cを輸入している。統計によると、ネパール人は一人1日平均2.42カップの紅茶を飲み、1年間に350グラムの茶葉を消費する。最も多く茶葉を消費する国はアイルランドの年間3キログラム。これに比べるとネパール人の消費量は少ないように思えるが、ネパール人はC.T.Cを煮だすので、茶葉の量は少なくて済む。飲む量は紅茶好きといわれるアイルランド人とかわらない。